SHIKADA SHITSURAI SHOWROOM の紹介
SHIKADA SHITSURAI SHOWROOM
〜サステナブルな素材を使った次世代のホテル空間〜
弊社鹿田産業は、1912年の創業より110余年を経て、弊社ショールームを「SHIKADA SHITSURAI SHOWROOM」とし、リニューアルオープンいたしました。竹すだれ生地の装飾用途やデザイナーズ籐家具に触れられる体験型ショールームです。内装デザインは、弊社のすだれ生地を2009年頃から実際に採用している隈研吾建築都市設計事務所が手がけました。
SHIKADA SHITSURAI がお届けするのは、天然素材の竹すだれや、すだれ生地の小物、籐家具や編み生地を使用したインテリアなど持続可能な未来に貢献するプロダクトです。天然素材の新しい可能性をここからご提案します。
ショールームは、エントランス、ラウンジ、客室、ギャラリー、ショップ、ラボラトリーの6つのゾーンで構成されています。本記事では、ショールームの詳細について6つの項目に分けてご紹介いたします。
①ファサード
希少な雲紋竹をファサードに。ショールーム入口の素材には杉材を使用し、入口脇には、まっすぐで清々しい立ち姿の雲紋竹を植林しています。
雲紋竹とは、その名の通り、表面に雲のような茶褐色の斑点模様が色づく希少な竹です。2017年より、弊社は広川町川上の創業の地に雲紋竹の植林プロジェクトを開始しました。今回ショールームの改装にあわせ、創業の地に植えた雲紋竹の一部をエントランス横に植林しています。
すだれの材料となるまでには10年ほどかかるといわれていますが、その成長過程もお楽しみいただけたらと思います。
②エントランス
エントランス右側の壁面では、伐採した竹を割り、すだれの材料となる竹ひごをつくり、すだれ生地として編むまでの職人の手仕事を竹材で表現しました。そして天井には、漆黒のすだれが優美なアーチを描き、軽やかなのに張りがあるデザインに。繊細な竹のすだれが放つシャープな質感の光天井になっています。
・雲紋竹丸竹材
インパクトある雲紋竹の丸竹です。
・八割りたたき材
丸竹を八割機で割った工程の竹材ですが、ディスプレイしているものは手割職人に手割していただいた竹材です。
・三枚おろし竹皮材
竹ひごとして表面の皮部のみ使用するため、たたき材を三枚におろした竹皮材です。
・竹ひご材
竹ひごを一本一本壁面に設置するのは困難なので、擬似的に竹皮材を手割して竹ひごを節揃えして編んだすだれ生地をディスプレイしています。右側から密度が疎かになっており、奥にいくほど密度が高いグラデーションとなる編み方です。
・節ぞろえ文字すだれ
エントランス正面最奥には、真竹と雲紋竹を組み合わせて、竹の節の突起部を揃え「SHIKADA SHITSURAI」の文字を描いたすだれ掛け軸があります。竹ひごですだれを編む際の「波節模様編み」と「1本返し」(竹ひごの表面と裏面を1本ごとに交互に編む編み方)の技術、元々ある雲紋竹の雲模様を活かして、文字を表現することに挑戦。SHIKADAの「S」の文字は波模様で、「H」「A」などの横ラインは、雲紋竹の模様を活かしています。節揃えで文字を書くことは、既成概念では考えられませんでしたが、雲紋竹の模様と節揃えをミックスすることで可能となった高度な技術を要する製品です。弊社の職人の技術の集大成です。
③ラウンジ
竹すだれ生地が描く優美な曲線で、ラウンジ空間の天井を装飾。幅1m・全長約77mの竹すだれ生地を縦使いし、ダイナミックでいて心やすらぐ空間を生み出しました。オーロラのようなデザインは、国内外の商業施設で実際に施工された隈研吾氏よるもので、今回螺旋の形状も加えバージョンアップしています。
さらに、天井にはすだれ生地を使用したペンダントライトを吊り下げています。
ペンダントライトシェードは6種類の異なるデザインのものがあり、すだれ生地の幅広い用途を提案します。
ショールーム入って右手側にはカウンターテーブルがあります。こちらは竹の輪切りを使った透過性のあるレジンカウンターです。竹の輪切りを配置して、3回に分けて樹脂を流し込み固めて作っています。その際、竹の成分や塗料が流れ出て独特の風合いとなっているのが特徴です。
床には、国産手挿しフックウールラグを敷いています。1本針の電動フックガンを使って一針一針打ちつけて作られた絨毯です。
弊社は長年敷物の取り扱いもしており、今回ラグにもこだわりました。ブラウンのウールは全て天然有色羊毛で、ボーダーのデザインはすだれをイメージしています。
④客室
ホテル客室をイメージした空間が2部屋あり、和洋問わないデザインで竹すだれ生地を使用できることを具現化しています。
黒を基調とした洋室と、ナチュラルカラーを基調とした和室。
洋室は、すだれ生地を太鼓貼りにした入口ドアと壁面造作。TVボードなどにも同じすだれ生地を使用しています。ペンダントライトのシェードは別デザインのすだれ生地を使用しています。壁面には、絵画をイメージしたワイヤーで吊ったすだれ装飾。大川家具の造作棚、フロアスタンドランプは八女手漉き和紙のシェードを使っています。
和室は、縦使いの竹すだれ生地と籐素材で設えられたナチュラルモダンな空間です。簀戸をイメージした引き戸の建具。床の間には雲紋竹の掛け軸すだれを設えています。床の間天井は久留米市の伝統工芸品である籃胎漆器用の竹編み生地、床面は籐あじろ編み材で造作。敷物は、デニムの端材を使用したリサイクルのラグで、工芸技術満載のサステナブルな客室です。
すだれ生地を建具や壁材に用いた内装を提案することで、竹という天然素材からつくられるすだれ生地の新しい役割を次の時代に発信するスペースでもあります。
⑤籐家具
今回、隈研吾氏に初めて籐素材の家具をデザインしていただきました。軽さと丈夫さを兼ね備える籐素材の特徴を生かした、一筆書きのようなデザインです。やわらかさ、まるさ、曲線の綺麗さを表現したプロダクトになっています。
ラウンジチェア、アームチェア、テーブル、ソファ、スツール、シェーズロングなど全14種類ございます。
⑥ショップ・ギャラリー・イベントスペース
【ショップ】
この空間は金具を使わない国産杉材の木組みでできており、インパクトあるつくりになっています。ここでは、ホテル備品に適した竹素材や籐素材を使った小物、職人の手仕事による工芸品や地球環境に配慮した製品を取り揃えています。すだれ生地を使った備品、SDGsを意識したホテル備品、地域の工芸品、飲食物含む地域の物産品を展示販売し、そのラインナップは随時更新する予定です。
これらの地域工芸品を取り入れることは、環境保全はもとより、地域文化や職人の仕事を守ることにも繋がります。
【ギャラリー】
ヒストリーギャラリースペースには、創業当時のすだれと木製織機、当時の写真などが展示され、110周年を迎える弊社の長い歴史を感じられます。展示されている4本の竹は、手前から順番に、雲紋竹・皮白竹・真竹・孟宗竹です。
〈創業当時のすだれ〉
大正元年創業当時に生産されたものです。縁と房は20年前に修復されていますが、すだれ生地の竹材と経糸は当時のまま。表編みした青竹が経年変化で綺麗な飴色に変化していることがわかります。丁寧に扱えば永年にわたり使用でき、弊社工場にて修理修復のメンテナンスも可能です。
〈木製織機〉
昭和初期に使われていた木製フレームの捻じり編み足踏み織機です。塗装して改修しており現在でも使用可能です。弊社が現在使用している織機は、スチール製の織機。すだれ機械自体は、昭和40年代には生産がすでに終了しており、修理をしながら使い続けています。すでにない部品は、オーダーで発注し、メンテナンスを自社で行っています。
その横には、福岡県指定伝統工芸品である八女すだれ「万葉」製品とその部材装飾品を展示しています。
商空間/住空間用の四季彩生地の展示も行い、色目・透け感を手にとって見ていただけるようにしています。
弊社のすだれには色、編み方、竹ひごの太さなどの違いで、約36種類の多彩なラインナップがあり、そのすべてのサンプルのテクスチャーの違いを手に取って触れて確かめていただけます。棚上には昇降メカ、部品をディスプレイしています。
生地サンプルスペースの隣にはスクリーンを併設したイベントスペースも設けており、商談やセミナー、物販も行うことができます。こちらのスペースはレンタルが可能です。
【レンタルスペース料金】
・非営利催事賃料:1,000円/1時間
・営利催事賃料:3,000円/1時間
・1週間単位催事:50,000円/7日間
○レンタルスペース営業時間:AM10時〜17時
さらに、気になったサンプル生地の伸縮特性や透過性を検証することができる設備を整えたラボラトリーを併設しています。これらの検証シーンは画像と動画で記録し、ショールームに足を運びにくい 海外デザイナーや建築家へ向けた情報提供も行います。
〈ラボラトリーでできること〉
・すだれ生地の透過特性を試験。
照度と色温度を調整できる照明で、すだれ生地の透け具合を実験。
・ウインチで吊り上げた生地を捻って、回転角度を実験。
・約4mの高さまで吊り上げたバーにすだれ生地を掛けて、伸縮度合いを実験。
・幅1800×高さ2000mmの大きなサイズのすだれ生地現物を確認。
このような実際に検証ができるラボラトリーは、今回のショールームの大きな特徴です。
「SHIKADA SHITSURAI SHOWROOM」は、天然素材の竹すだれ生地の装飾用途やデザイナーズ籐家具に触れられる体験型ショールームです。
皆様のご来場お待ちしております。
(すだれをイメージしたデザインのショールーム外観)
株式会社鹿田産業
福岡県八女郡広川町太田428
電話:0943−32−1141
メール:clerk1@shikada.co.jp
対応時間:平日10:00〜17:00(工場見学は16:00まで)