日中伝統芸能共演、八女で初披露!

八女から世界へ!伝統工芸の魅力発信!

2019年4月13日、八女の伝統工芸の魅力を国内外に発信・PRするプロジェクト「YAME CRAFTS JAPAN」のウェブサイト完成記念お披露目会が開催されました。「YAME CRAFTS JAPAN」は八女の伝統工芸のブランド価値と商品価値を高めるための事業として2018年にスタートしました。福岡県八女地域には情緒ある歴史的町並みが現存し、数多くの伝統工芸品が今もなお受け継がれています。今回はこの八女の魅力を知ってもらおうと「八女伝統工芸館」内にある「八女市民俗資料館」で中国伝統芸能「変面」と日本伝統芸能「剣術」の演舞をご披露いただきました。

舞台はあの無形民俗文化財の〇〇!

会場となった「八女伝統工芸館」には福岡県南部に位置する八女地方の伝統工芸品「八女福島仏壇・八女提灯・久留米絣(国指定伝統的工芸品)や八女石灯ろう・八女手漉き和紙・八女矢・八女竹細工・八女和こま・赤坂人形・八女すだれ(県知事指定特産工芸品)」が展示紹介されています。今回は、八女が誇る歴史と伝統の息吹漂う施設に隣接する「八女市民俗資料館」でお披露目の演舞が行われました。

その舞台は八女市民ならば誰でもご存知の!そう!あの舞台なのです!

国指定無形民俗文化財「八女福島燈籠人形」

毎年秋に八女の福島八幡宮の境内で上映されるからくり人形公演。あの舞台で「人」の演舞が行われたのです!

この「屋台」とよばれる建物は、金箔・銀箔・漆塗りなど八女福島仏壇をつくる技法でできており、装飾には提灯、八女すだれが使用されるなど、八女の魅力を伝えるに相応しい最高のお披露目舞台といえるでしょう。

響く琵琶の音!躍動する伝統芸!

いまから披露される脈々と受け継がれてきた伝統芸を待つ観客。

神妙な空気を高揚させる筑前琵琶の音。

徐々に力強くなる旋律とともに日本伝統芸能役者が凛とした足どりで現れる。ひとつひとつの所作に日本人の節を重んじる姿勢がうかがえる。指先、剣先、細部にわたり気が伝わる剣舞。

琵琶を弾く拍子、抑揚。場が変わる。

中国伝統芸能変面役者が軽快に現れる。パンっとひらく扇の音とともに振り返り、視線を止め、余韻を残す仕草。煌びやかな衣装とパタパタと扇を仰ぐ仕草からスッと腕を上げた瞬間に切り替わる面。変わる面とともに役者の動きが変わる。堂々たる振る舞い。

黒面の勇猛な男が地団駄を踏む仕草をみせ、変面役者と日本伝統芸能役者が相見える。

徐々に間合いを詰め、立ち回る。交差する剣と扇。演舞も最高潮に達する。

両者、数手交わし、変面役者が衣装を翻し、素顔へ変わるとともに背中を向かい合わせて終演。

琵琶の音がとまり、一拍おえてからの拍手。

受け継がれた技と技の共演と表現者達への敬意を表し、観客からはあたたかい拍手が送られました。

日中文化交流!芸は心通わす共通言語!

中国・日本の伝統芸能を通して、互いの伝統と文化を認め合い、称えあうかのような雰囲気が会場にはありました。

衣装や所作からも文化の違いが認識できるものの、それでいて交差する動きが琵琶の音と妙に合う。

中国と日本。長きに渡り、国交を重ねて歩んできた歴史。

中国より伝わる文化から学び、形成された日本。

根を辿れば同じ文化であろうが、それぞれの歩みにより変化してきた醍醐味。

伝統が息づく八女。この地で開催された意義がそこにあったような気がした今回のお披露目会。

「YAME CRAFTS JAPAN」の皆さま、このたびは素敵なご縁をありがとうございました。

伝統芸能や伝統工芸には物言わぬ説得力がある。

八女から世界へ。八女の魅力を伝えたい!